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原子力発電

原子力発電の仕組みやメリット、デメリットについて調べている。

全体を理解しようと思っても一筋縄ではいかない。
長期的に理解を深めていく必要がありそうだ。
資源・エネルギーの問題は未来の世代のためにも、
常に考え続けていかなければいけないこと。
ライフワークのひとつとして、この問題を考えていきたいと思う。

そもそも、原子力発電というと、
「放射能」「危険」「核武装に繋がる」というようなイメージが大きい。(ように思える)

実際に原子力発電所にいったこともない自分がそういうイメージを持っているというのは
ひとえにマスコミから得た情報が無意識に浸透しているからだろう。

先ずはそういった偏見を全て取っ払ったうえで、ひとつひとつの事項について考えていきたい。

本日、オバマ大統領がUSの原子力発電所の新たな建設について宣言した。
1979年のThree mile islandでの事故(*1)以降、実に30年ぶりの再開だ。

その安全性の定義や建設における周辺住民への影響などは今回は置いておいて、
原子力発電の仕組みを今回わかりやすくまとめようと思う。

原子力発電の基本となる考え方は、かの有名な「E=mc2」(2は二乗の意)(*2)
という質量とエネルギーの関係式に基づいている。


日本にある従来型の原子力発電所は、核分裂によるエネルギーを利用している。
核分裂を起こすものは天然ウラン中に0.7%しか存在しないウラン-235である。

そのウラン-235に中性子を吸収させることで、その原子核は不安定になり、
ふたつの原子核に分裂する。
この分裂に際し、平均2.5個の新たな中性子が放出されるので、
それを別のウラン-235に吸収されるように条件を整えることで
核分裂が連続して発生していくことになる。

この時、はじめのウラン-235の質量を仮に10だとすると、
そこから生まれたふたつのウラン-235の質量を合計しても10以下になる。
この差異こそが、エネルギーに変換された質量ということだ。
(膨大な熱エネルギーに変換される)
(エネルギーの第二法則に基づき、現在の理論上は逆の転換は起こり得ない)

原子力発電所では、ここで生じる熱で蒸気を作り、タービンを回し発電する。
この連続した分裂により生じる中性子を、ホウ素のような中性子吸収剤により抑制し、
その出力をコントロールしている。

さて、核燃料物質として、
天然ウランの中には0.7%しか含まれていないウラン-235を使用すると書いたが、
残り99.3%はウラン-238と呼ばれる物質である。

しかしウラン-238に使い道がないかというとそうではなく、
ウラン-238に中性子を吸収させることでウラン-239が生じる。
(235とか238とか、ややこしいけど重要なので覚えておくと便利)
ウラン-239はβ崩壊(*3)を2度起こし、プルトニウム-239が生まれる。

さあ、プルトニウムの誕生だ!
これは核分裂する性質を持つし、次元転移装置を搭載したデロリアンに使えば
タイムトラベルも可能な物質だ。(わからない方、ごめんなさい...)


さて、ちょっと寄り道して「放射能」について少し勉強しようか。
よく「放射能が検出された」、「放射能が出る」とかいうが、
正式には「放射線が検出された」、「放射線が出る」と言わねばならない。

「放射能」という言葉は放射線を放出する性質と、放射線の強さの意で使われる。

簡単にまとめると、放射線とは不安定な原子核、加速された荷電粒子などである。
こういった放射線が人体にあたると、
DNAにある分子の持つ電子がはじけとんだり(電離)、
放射線を吸収して別の分子に変化したりする。

こうして発生した異常細胞は、細胞分裂とともに増殖していくため、
細胞分裂が激しい部分(骨髄の造血細胞、生殖器、皮膚や毛髪など)や
胎児には強い影響が現れる。

はい、放射能、説明終わり!
書き出すときりがないから、それはまたいつか個別の記事で。


プリトニウムの説明にもどる。

従来型のウラン-235のみを使用して発電を続けても、
結局ウランというのは枯渇性資源なわけで、
それをわずか0.7%しか使用しないままだと数十年で枯渇する。
(主にウラン鉱山で採掘する)
(海水にも低濃度で含まれており、全世界で45億tにのぼる)
(この海水に含まれるウランの採集技術は未だ途上)

そこで残りの99。7%のウラン-238をプルトニウム-239にして使用する
という目的で現在主流になってきているものがプルサーマルである。

プルサーマルとは「プルトニウム」と「サーマル(熱中性子炉)」を合わせた語である。
(和製英語なので、英語ではMOX oxide, MOX fuelというので覚えよう☆)

プルサーマルでは軽水炉の燃料として
ウランにプルトニウムが混合したMOX燃料(*4)を用いる。

こうしてプルトニウムを利用するために、
発電炉で燃やしたあとの燃料を一度溶かして、
燃えカスの中からプルトニウムだけを抽出する。

この過程を「再処理」という。
青森県六ヶ所村にある再処理工場とは、そのための施設である。

こうして再処理を施すことによって、現存するウランから得られるエネルギーは
今後数百年に渡って人類の活動を支えることが出来るほどの量に達する。

こうして生成されたプルトニウムにより、放射線を発する危険性があるのではないか、
日本の核武装(そして近隣諸国への波及)に繋がるのではないかという懸念がある。

実際にはウラン-235による軽水炉でもプルトニウムが発生し、一部が燃焼されている。
だから実際には全ての軽水炉は自然にプルサーマルになっているとも言える。

原子力安全委員会は、
燃料の3分の1までの量のプルトニウムなら
現在の原子炉で燃やしても問題ないと言っている。

そして実際に欧州では60年代からすでにプルサーマルによる発電が行われており、
現在にいたるまで大きな問題は起きていない。
(チェルノブイリは全く別の要因なので、後にリスク面での記事で述べる)



さて、おおまかに原子炉の構造をみてみた。
細かいことは別件で記事にする。

もうひとつ、太陽や星の熱の仕組みでもある核融合によるエネルギーの生成も
研究されているが、長くなるのでここでは触れない。
(後にリスクの面で述べたいことだが、放射性廃棄物の放射能の半減期が大きく異なる)


こういった基本的なことを抑えておかないと、
実際に今、何が問題で再処理工場や原子炉の建設が問題になっているのかが
まったく見えてこない。
(各種受益団体のプロパガンダは色眼鏡にもほどがあるから信用ならない)

ここから進んで、人類の問題、倫理観の問題について考えはじめたい。

なお、ここで述べられていることは
Kの主観、偏見、誤解に基づくものが多いということを併記しておく。


(*1)Three mile islandでの事故
1979年にUSのThree mile islandで原発のcore(炉心)が融解。
影響を危惧し14万人もの周辺住民が一時退避。
放射性ガスが大気中に漏れたが、人体への影響は報告されていない。
原発反対勢力による周辺住人にガンが増えたとの偽情報(要確認)が出回る。
(実際に影響があったとしても、原発支持団体が情報を隠蔽する可能性は否定できないが)
(参照:2月16日付けのBBC、「原子力と環境」中村政雄)

(*2)[E=mc2]
E(質量から生成されるエネルギー)=m(質量)c2(高速度の二乗)。
アインシュタインの特殊相対性理論によって定義され、その後実証される。
具体的には1gの質量を持つ物質が90兆ジュールのエネルギーを持つことになる。
例:パチンコ玉ひとつの質量(5g)で東京ドーム1杯分(100万L)の水を沸騰させれる。
(参照:「図解雑学 エネルギー」)

(*3)β崩壊
質量数を変えることなく、陽子、中性子の変換が行われる。
β+、β-、二重β崩壊などがあるが、説明は省略。(まだ自分でもよくわからない)

(*4)MOX燃料
混合酸化物燃料。二酸化ウランと二酸化プルトニウムの化合物。
高速増殖炉の燃料として使われる。


【参考文献】
「原子力と環境」中村政雄 中公新書
「図解雑学 原子力」佐藤正知・蛭沢重信 ナツメ社 
「図解雑学 エネルギー」竹田敏一 ナツメ社
「若者に贈る原子力の話」村田浩 日本電気協会新聞部
「エネルギーを語る33の視点・論点」新井光雄 エネルギーフォーラム
ほか、数冊及びインターネット文献。
(今後のエネルギーに関する記事でも引用の及ぶ可能性あり)
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  1. 2010/02/17(水) 17:19:05|
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