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ハイチについて

ハイチでの地震災害に対する大規模な人道支援が行われている。

こういった不可避の外的要因による災害に、
世論の目が集まり、迅速に救援が届くような世の中になっているのは嬉しいばかりだ。

だがおそらく、ほとんどの人はハイチという国名を聞いたところで
いったいドコにある国なのか、どういった文化や歴史を持った国なのか、
深く知らない人がほとんどだろう。

そして、地震によって世間の注目を浴びた今でも、ハイチは
「災害によって壊滅しかけている可哀想な国」というレッテルによって覆われている。

多くの報道機関はハイチの震災前からの悲惨な現状を伝えているが、
その状況がどういったものであり、何によってもたらされたのか、
それが先進国に生きる人間にとってどういった意味を持つものなのかということを
問うことはしていない。

実はハイチはラテンアメリカ初の独立国であり、
ラテンアメリカ全土の開放を望んだシモン・ボリーバルにも深く関わっている。
(ボリーバルのような重要な人物について学校で習わないのはなぜだろう?)
(余りにもボリーバルの日本語文献が少ないので、いつか自分でまとめたい)

ハイチは18世紀末からアメリカの監視のもとに独裁政権を維持してきた。

1990年12月に民主的にアリスティドという大統領が選出されたのは
アメリカにとってまさに晴天の霹靂だった。
(91年に選出と書いてある文書(wikipedia等)もあるが、選出は前年末)

当時のアリスティドの対抗馬はマーク・バジン。
世界銀行の元官僚であり、アメリカや西洋諸国の富裕層の利益を代弁していた男だ。

選挙当時、積もり積もった国民の長年の鬱憤が炸裂し、
真に民主的な大統領の誕生となったのだ。

だが、その政権は長くは続かなかった。

表面上はアメリカはハイチの経済や産業から手を引いたが、
地元ハイチの富裕層はアメリカの支援によって反アリスティドキャンペーンを打った。

実はアメリカには全米民主主義基金(NED)という団体がある。→リンク

この団体の目的は民主主義の世界的な普及だが、やっていることは
アメリカの利害と一致しない政権を転覆するための資金提供を行うというものだ。
(国家予算から資金を提供され、USAIDとの関連も深いのになぜかNGO扱い)
(セルビア、グルジアへの大規模な介入もしている)
(この組織、調べれば調べるほどまるでCIAの活動のよう...興味深い)

選挙の翌年9月、そのNEDによる支援により軍事クーデターが起こり、
真に民主的な手段で選ばれたアリスティドの政権は崩壊する。

またもや独裁政権が復活し、アメリカは表面上は独裁政権への制裁として
経済制裁を突きつける。

が、例外として約800社ものアメリカ企業が免除扱いを受け、
公然の秘密としてハイチとの経済関係を続けた。

これはもちろん国民に還元されず、独裁政権を支援する形になった。
(米国商務省→リンク
(商務省文書に見る米国とハイチの貿易高の推移→リンク
(独裁政権に対し、アメリカの石油会社は石油を"提供"している)

なぜアメリカは執拗に独裁政権を支持するのか?

それは「ハイチを輸出プラットフォーム」として保つため。

製造業に従事する労働者の賃金を最安値に保ち、
本来国民が消費するべき(飢餓も起きているのに)農作物を
アメリカに輸出するためだ。

現在ハイチではreste avecと呼ばれる"子供奴隷"が公然と認められている。
事実上無報酬で働くこどもたちは、過酷な労働のみならず性的にも搾取されている。



さて、なぜ今回こんなことを書いたのかというと、
余りにも報道の姿勢が薄っぺらすぎて落胆したからだ。

もちろんハイチの災害は報道されるべきだ。
大規模な支援が必要だろう。

しかし、それと同じくらい、若しくはそれ以上に深刻に助けを必要としている人もいる。
「Al Jazeera」の一面を見てみよう。→リンク
日本ではほとんど報道されない世界の現状が垣間見えることだろう。

短絡的な大手メディアの報道を全ての情報源だと思っていてはいけない。

もちろん、結局のところ何が正しくて何が正しくないのか、
個人レベルでは知り得ないことも多いだろう。

しかし、受動的な態度で世界と接していては、
個々人の意思を反映した、より良い世界に向けて進んでいくことは出来ない。

より敏感に、真摯に。

流されることなく。

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  1. 2010/01/24(日) 18:28:46|
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