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強く生きる

いつの頃か経験も積み、精神的にも成熟して、人は強くなれるものだと思っていた。

この、目を覆いたくなるほどに惨事の溢れた世界に在って、
心を傷つけずに生きていけるようになるのだと...。

自分自身の行動に絶対の自信を持ち、恐怖することなく動けるようになるのだと...。


今はそうは思わない。

傷つくことが弱さではなく、悩み、苦悩することが弱さではないからだ。


自分のたったひとつの行動が、出逢った人の人生を大きく左右することもある。

人と関わるということは、その先に生まれる可能性に手を触れることだ。
自分が正しいと思うことでも、その人を深く傷つけ、道を誤らせるかもしれない。

自分という存在に例えわずかでも影響力があると思うことは奢りではない。
世界のどこを見渡したところで、個別に存在するものなんか在りはしないのだから。


生きていれば、人を傷つけることもある。
でもそれは反対に、人を愛せる可能性でもあるのだ。

人は触れ合える。


その手を伸ばすことを躊躇し、悩み、苦しむことは数多くあることだろう。

果たして自分の行動は正しいのだろうか、
あなたに関わるという選択肢を選んでもいいものか。

その手はいつも、震えているかもしれない。
優しく抱こうと思ったその指先で、あなたを深く傷つけてしまうことに恐れているのだ。


常に自分の心に自問自答する。

自分は何のために生きているのだ、と。


この人生の内に出逢うすべての"あなた"に、手を伸ばし、触れたいという想い。

世界が、わたしとあなたの総和であると信じるこの人生で、
愛というものを考え、行動していきたいという想い。


震える手の示すものは弱さなどではなく、
傷つけ、傷つけられる距離まで、
抱き合える距離まで近づこうという強さであると思いたい。

あなたと共にあれる、奇跡のようなこの世界の中で。

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  1. 2010/06/11(金) 22:28:34|
  2. 人生論
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:3
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コメント

K氏の文章にはよく「ハッ」とさせられます。
ありがとう★
  1. 2010/06/14(月) 11:11:32 |
  2. URL |
  3. 光一 #G7pAkFAw
  4. [ 編集 ]

>光一

毎日この美しく汚れた世界の中で涙し、歓喜する。
この感覚を忘れたくない。
人生、楽しみましょう!!!
  1. 2010/06/14(月) 15:00:22 |
  2. URL |
  3. K #-
  4. [ 編集 ]

ふふふ、素敵。
  1. 2010/06/16(水) 15:00:08 |
  2. URL |
  3. りな #-
  4. [ 編集 ]

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